『天使の詩』
幾千の星よりもやさしい、愛の詩
・近江舞子著、掌編『天使の詩』
2014年9月14日(日)「第二回文学フリマ大阪」配置番号【B-05】にて販売開始。
Deity's watchdog(http://www.d-w-d.jp/)にて無料配布中。
CRUNCH MAGAZINE(https://i.crunchers.jp/data/work/6740)にて無料公開中。
・三十二頁。「天使の詩」一編を収めた小冊子。
・あらすじ:かなでの血の繋がらない妹・あかりはアトピー性皮膚炎を患っていて、かなでは「代われるものなら代わってあげたい」と常々思っていた。ある日、その願いは叶って……
梅春。名古屋。午後一時。陽気はまだ少し遠かった。
*なお、この作品はAmazonで販売しません。
『少年』
「少年」は夢見てる
・近江舞子著、掌編集『少年』
2014年5月5日(月・祝)「第十八回文学フリマ」配置番号【A-09】にて販売開始。
Deity's watchdog(http://www.d-w-d.jp/)にて委託販売中。
密林社さまのサービスを利用し、Amazonで販売中。
- 作者: 近江舞子
- 出版社/メーカー: 密林社
- 発売日: 2014/05/19
- メディア: ムック
- この商品を含むブログ (1件) を見る
いずれも、大人になれない「少年」が主人公。
「幸せの約束」
十年以上の片想いが実った男の幸せの物語
僕は新しい幸せを見つけました。
「アディクション」
ジュエリーに目がない男が、貢いでくれる女に出会う物語
時刻は午前十一時。目の前の、ガラスの扉が開かれた。
名古屋パルコ西館一階の端にあるジュエリーショップ、Justin Davisに一目散に向かうと、余りのきらめきの群れに、軽く眩暈を覚えた。
「肌」
肌と町と生まれ変わりの物語
日傘は、梅雨が明け、暑くなってから差すようでは、遅い。ゴールデンウィークの頃にはもう必要なのです。否、本当のところは、もっと早くても構わないくらいです。
・読者さまの感想
http://d.hatena.ne.jp/SHADE/20140513#1399949556
http://ameblo.jp/machais/entry-11849071870.html
https://twitter.com/sweetsonicNs/status/463293670540582913
http://knightsabers.hateblo.jp/entry/2014/06/01/210000
『秘密』
眠れるようなロマンスを、枕元へ
・近江舞子著『秘密』
2013年11月4日(月・祝)「第十七回文学フリマ」配置番号【A-29】にて販売開始。
Deity's watchdog(http://www.d-w-d.jp/)にて委託販売中。
密林社さまのサービスを利用し、Amazonで販売中。
- 作者: 近江舞子,Deity's watchdog
- 出版社/メーカー: 密林社
- 発売日: 2013/11/04
- メディア: ムック
- この商品を含むブログ (2件) を見る
近江舞子の処女喪失作。
一
「どうして? どうして! フツウの幸せが欲しかっただけなのに、どうして……」
「海は、ハチミツ、積もる雲は、綿飴」
「浮き輪を、オールドファッションドーナツにして浮かび、ビーチサンダルは揃えておく、クロワッサン」
「パラソル、LOOKチョコの傘を差す、砂浜、真っ白な金平糖」
「太陽が下り、林檎飴になって、天のお星さま、マカロン」
「打ち上げ花火は、笑った羽美」
・読者さまの感想
https://twitter.com/write_jun/status/399868248641896448
http://knightsabers.hateblo.jp/entry/2013/11/17/203714
https://twitter.com/unjyoukairou/status/412263424303706112
http://d.hatena.ne.jp/SHADE/20131218#1387352778
『影絵』
何処までも「ふたり」の物語
・近江舞子著、掌編集『影絵』
2013年4月28日(日)「超文学フリマ」ブース【カ-02】にて発売開始。
Deity's watchdog(http://www.d-w-d.jp/)にて委託販売中。
密林社さまのサービスを利用し、Amazonで販売中。
- 作者: 近江舞子,近江舞子Deity's watchdog
- 出版社/メーカー: 密林社
- 発売日: 2013/04/28
- メディア: ムック
- この商品を含むブログ (2件) を見る
「君がいる日々」
双子の姉妹の夢物語。
月が溶け、夜が眠った頃、わたしは目覚めた。
「魔法をかけて」
歌う青年は死にたがりの少年と出会う。
「もう死にたいよ」
それが君の口癖でしたね。
「流星」
離れ離れになってしまった少年と少女の手紙によるやりとり。
圭ちゃんへ
お手紙ありがとう。
毎日、郵便受けを確かめ、手紙が来るのを楽しみに待っていました。ありがとう。さっそく返事を書きますね。
(7月31日、追記)
黒澤丙さまから感想をいただきました。
「魔法をかけて」が一等好きです。
繊細な言葉、脆くも美しい繋がり、切なさと哀しみのぎりぎりの均衡が、とても素敵でした。
ちょっと、泣きました。
【覗き穴 VOL.2】
近江舞子、朗読で初舞台です。
出演は三番目で、19:30頃になると思われます。
日時:
3/30(土)
OPEN 18:00
START 18:30
場所:
メルローズ(名古屋・栄)
http://www.melrose-nm.com/
料金:
\1500(1ドリンクサービス)
出演者:
Clown Shoes
じゅんこ
岩崎ダモミ
幽希
近江舞子(朗読)
『Phantasmagoria』
あなたが見た物語 わたしが見る物語
・掌編集『Phantasmagoria』
・2012年11月18日開催、第十五回文学フリマ(サークル名「近江舞子」、ブース【イ-28】)にて刊行。初版完売。
・"FUCK THE BORDER LINE"がテーマ。好きな作家へのトリビュート作品を集めたアンソロジー。近江舞子が「太宰治」を、森田紗英子が「浅田次郎」を、松永英明が「泉鏡花」を、泉由良が「江國香織」をカバーする。
・価格:500円
・Deity's watchdog(http://www.d-w-d.jp/)にて委託販売中。
・Amazonでの販売はありません。
森田紗英子[@sae_tama] 「冬の旅」
Tribute to 浅田次郎――冬の旅
大阪駅を出て能登へと向かう平日昼間の特急雷鳥の車内は静かで、仲間内で冬の温泉旅に行く年老いた団体か、都会の喧噪から逃れたそうな気むずかしい男がいるくらいだった。
近江舞子[@OUMI_MAICO] 「トランスベスタイト」
Tribute to 太宰治――服装に就いて
ほんの一時ならず、現在進行形で凝っていることがあります。服装に凝っているのです。否、凝っているという言葉では足りません。麻薬中毒のごとく深刻な状態です。もちろん、違法な薬物に手を染めたことなど、一度たりともないのですが。たとえば、姿見の前でゆうに三十分は過ごします。うまくコーディネートできないと発狂してしまいそうです。
松永英明[@kotono8] 「天空樹堀(てんくうじゅのほり)」
Tribute to 泉鏡花――特に天守物語、海神別荘、夜叉ヶ池
黄色い衣装に身を包んだ若いバスガイドの女性が、水色に見える小旗を掲げて、住宅街とも商店街ともつかぬ、車の行き交う二車線道路の歩道を進んで橋のたもとへ近づき、それまでうつむき加減だったものを急に振り返って後続の旅行者たちに声を掛ける。
泉由良[@yuraco] 「雨、ぶどう、アイスミルク」
Tribute to 江國香織――いつか記憶からこぼれおちるとしても
ずっと昔に愛読していた本のなかで『まっぷたつにしたら?』というものがあって、それはただ頁を捲ると延々と、野菜とその野菜を半分に切った断面の画が順繰りに並んで成り立っている絵本だった。私は幾度もその本を開いて様々を知った。例えば、たまねぎやきゃべつは薄い皮をずっとずっと剥いてゆくと小さくなり終わりがくることを。それから人参や馬鈴薯の断面のうっすらとした気配。トマトの断面図は種やじゅくじゅくした何か汁やうすきみどりのものが詰まっていて、私はその断面を羽を広げた蝶々に似ていると思っていた。きゅうりは外側もそうなのに輪切りになった中身は尚更につめたそうで、ピーマンはあっけないくらい(なにしろ私はピーマンが食事に出ると、大変な窮地に立たされていたのに、それなのに)からっぽだった。それからかぼちゃ。かぼちゃは種がぎっしりで、実の部分も律儀にみっしり詰まっていて、それは頼もしい、かぼちゃ。
『思春』
冬は去り、また廻り来る
・近江舞子著、短編集『思春』
Deity's watchdog(ディティーズウォッチドッグ)にて販売中。
http://www.d-w-d.jp/
密林社さまのサービスを利用し、Amazonで販売中。
- 作者: 近江舞子,Deity's watchdog
- 出版社/メーカー: 密林社
- 発売日: 2012/05/06
- メディア: ムック
- 購入: 1人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
「スケッチブック」
連作掌編形式。三人の少女がバトンリレーのように繋がり、少しだけ大人になる。
わたしはアリスです。嘘ではありません。今日からアリスになったのです。あの有名な不思議の国のアリスに。正統派の、ジョン・テニエルのそれではありませんが。齢十八歳にして絵に描いたような乙女をわたしは体現するに至ったのです。嗚呼、アリス、アリス、アリス。乙女のあこがれの塊。
「愛撫」
最愛の妻を亡くした男が取った行動とは、「人形」を愛することだった。
始まりと終わりはもしかしたら一緒なのかもしれない。
ひとつの儚げな光が消え逝くのを目の前にして、涙よりも前にそんな言葉を男は浮かべた。
あのとき、出逢ったあのときは終わりが来るなんて思っていなかった。しかし、振り返ってみれば、始まりが必然であるように終わりも必然だったのだ。
「マリア様のこころ」
僕は母にマリア様の姿を重ねて見ていた。そして、最愛の母の幸せを思い、僕は決意をする。
(まずい)
その言葉を僕はいつもそれと一緒に飲み込む。決して言いたくないから。感想は僕の心の中にそっと仕舞っておけばいい。母の愛を無駄にしたら可哀想だ。そうですよね、マリア様。
・黒澤丙様から感想をいただきました。
希望、狂気、罪と罰が螺旋階段を下る時の陶酔に似て、胸に響きました。
“近江舞子”さんだからこそ描ける世界観が、とても好きです。
これからも酔わせて下さい。
・ゆたさんから感想をいただきました。
http://d.hatena.ne.jp/SHADE/20120531#1338390297
・松尾憂雪様から感想をいただきました。
「思春」は近江さんの幾つかの側面を上手に集めた一冊となっていると思います。
近江さんの目指す、乙女の世界、狂気の世界、上手くバランスが取れていると思います。
近江さんの小説は、広い意味で、ライト・ノベルと云えると思います。
一般的な、狭い意味では、イラストを含んだ、娯楽小説がライトノベルですが、其ではありません。
大衆的な純文学、太宰治前後から、発生した、小説群です。
比較的、丁寧な作りで、短く述べる、そして、楽しめます。
「スケッチブック」「愛撫」「マリア様のこころ」どれも楽しめました。
特に印象的だったのは、「マリア様のこころ」でした。
社会的問題を扱う、此は文章を書く人の、努めの一つです。
「殺人を扱う」と云うのは、様々な時代で、問い続けられている大きな課題です。
カポーティー「冷血」、カミュ「異邦人」、ガルシア=マルケスなど、数え上げれば切が無いですが、常に大きな課題です。
其に一石投じる、近江さんの向上心を素敵だと思いました。
ディティールに、若干、物足りなさがありましたが、一つの読み物として面白かったです。
人が追い詰められて行く、其の感じ、其が書けていると思いました。
勿論、もっと、書けると思います。
然し、何処か気味が悪く、冷たい告白が続くのは、面白かったです。
カポーティの「冷血」は、偉大なる失敗、と私は感じます。此の手の物で、細かすぎて、崩壊してしまう、と云うのがあると云う、良い例に思われます。
兎に角、社会問題、今在る、其の狂気、其に触れるのは、大変な苦労でだと思います。
ふと思ったのは、社会的な事象を取り上げた時の、近江さんの鋭さは、独特の持ち味を持っていて、嶽本さんや、太宰治氏には無い、何処か、近江さんオリジナルの薫りがします。
私は、此の薫りが好きです。
以上です。