『葬列』

近江舞子著、短編集『葬列』は密林社さまの協力を得てAmazonで販売中。

葬列

葬列

・三編の小説を収録。
「少女四季」
 四季にちなんだ四人の少女たちが各々、純粋に生きる。そして、季節と少女たちが交わって一つの物語が生まれた。
「楽園に生きる」
 神が望んだ世界。それはとても美しかった。
「きらめき」
 唄うことのほか何もない少女。彼女はひとりではなかった。


・感想を黒澤丙様からいただきました。

 孤獨な人間が織りなすヱゴヰズム、理想への渇望、往々にして孤獨は寂しく、そしてそれ故に残酷な遊戯を想い付いては哄笑の聲をあげて嗤う。
 嘘を吐く事で自分、そして関わる人を守ろうとする一見すると哀しい孤獨の様でもそれは酷く優しい。そして人間の様に、或いは動物的な本能のみに突き動かされる神や、自分でさえ気付かぬうちに新たな人格を創り出して仕舞う悲愴な心。
 全ての作品が輝いて居て、どの小説も読み手の心にじんわりと染み入るような優しさと同時に、孤獨とヱゴの鬩ぎ合う、或いはどちらに転んでも可笑しくはない程の危うい均衡。
 その調和が見事に保たれた世界観は本当に素晴らしいと想います。