『夢幻』

近江舞子著、短編集『夢幻』のDeity's watchdog(ディティーズウォッチドッグ)での販売は終了しました。http://www.d-w-d.jp/
 Amazonでの販売はありません。


・二編の小説を収録。
「ゴシックサーカス」
 夢と現を行き交いながら彼女を追いかける“僕”の物語。
ファレノプシス
 自分に嘘をついている”と指摘された女はその嘘を探す。


id:SHADE様から感想をいただきました。
http://d.hatena.ne.jp/SHADE/20111114#1321196763


・黒澤丙様から「ゴシックサーカス」の感想をいただきました。

 ・「僕」と「彼女」の、現実と非現実とを行き交いする世界観が秀逸!
 ・「乙女な日常」と云うのが、想像を掻き立てて呉れます。もう少し詳しく書いて戴けると解りやすいかな、と。
 ・「彼女」と日々逢う為に、睡らなければならないと云う「僕」の焦りや憔悴が伝わってきます。
 ・そして現実に於いて「彼女」の正体を識った時の「僕」の行動が、夢から醒める事の出来ない閉鎖的な感覚に基づいて居る様に想えました。
 ・現実の「彼女」に拒絶される「僕」の、絶対的な絶望が、現実味を帯びて居て、そこを描く描写が凄いと想います。
 ・「今まで何処に行ってたんだ」、そして、「彼女は僕の恋人なんだ」と云う科白が、夢と現実の渾沌の中で紡がれた、狂気性を孕んだ危うさが有って素敵!

・「ゴシックサーカス」冒頭より

 目の粗く不均等なノイズが揺れた。震えた。次第に姿を現したのはピアノで温かに奏でられる、天国の扉をそっと叩くようなガブリエル・フォーレの『シシリエンヌ』。どんなアルコールよりも強い陶酔が僕の胸にもたらされた。そう。今宵も幕が開ける。
「こんばんは。パーソナリティーの樹海です。始まりました。樹海『ゴシックサーカス』。午前零時にまたここで会えましたね。一週間、このときをずっと待っていました。あなたはどうでしたか。それでは今夜も乙女なクラウン、道化のわたしがあなたを電波のサーカスにお連れ致します」


・表紙